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ダウンのお話(その4)

CATEGORY:社長ブログ

ダウンの縫製について

 

当社はダウンの専門工場ではないので、布団や寝袋、スキーウェアーなどを作っているわけではありません。

 

ただ、ファッション用のダウンウェアーも布団やスキーウェアーなどのダウン製品との基本的な作り方は同じです。(と思います)

使用目的や、基準が違うので使っている素材やダウンの中身が多少変わってきます。

 

4層ダウン

表生地と裏地の間に、ダウンを詰め込んだ袋を入れて作ります。

布団や枕と同じ作りになります。

 

メリット:中のダウンパックでダウンを閉じ込めているので

表側に使う生地は制約を受けません。

 

デメリット:厚みが出る。素材によって固くなる。

ステッチをいれたときにダウンが噴き出す可能性がる。

 

 

4層ダウン

 

3層ダウン

主に表側が、表生地+ダウンパックで、裏側がダウンパックのみの場合が多いです。

 

メリット:4層より軽くなる。内側が柔らかくなる。

暖かい?(これは個人的な意見です)

デメリット:内側の吹き出しに気をつけないと、インナーに噴出したダウンが付着する。

 

3層ダウン

 

2層ダウン

ダウンプルーフ加工した生地2枚でダウンを挟み込む。

 

メリット:軽い、柔らかい。

デメリット:内側外側共にダウンの吹き出しに気をつけないといけない。

 

2層ダウン

 

 

ダウン製品の問題

 ①洗濯(汚れや臭い)

 ②ダウンの吹き出し

 

①の洗濯に関しては、実は表生地に何を使っているのかによって対処方法が違ってきます。

ウール系の洗えない素材だと、クリーニングしか方法がありません。

ライナー取り外しの製品は、ライナーのみ洗えるので比較的扱いやすいので便利です。

 

②に関しては、いろんな体験をされた方がいらっしゃると思います。

 

 A)内側に着込んだ濃色のインナーが、鳥の毛だらけになった。

 B)羽の芯の固い部分が出ていて、引っ張ったら羽がどんどん出てきた。

 C)汗ばんだ時に、獣臭がした。

 D)ダウンの膨らみが減って、薄く感じるようになった。 などなど。

 

Aは、ダウンの質と縫製仕様が影響している可能性があります。

BとCは、ダウンの品質が影響していると思われます。

Dは、ダウンの品質と着用時のメンテナンスが影響していると思われます。

 

ダウンの品質に関しては、前回までの記事に書いたので良いダウンが使ってあるかどうかになります。

 

縫製について触れたいと思います。

 

縫製といっても先ほどの2層~4層の作り方による影響が大きいのですが、これ以外にも作り方があります。

 

ダウンが噴き出す原因は、単純です。

 

単純な原因とは、・・・・・・『穴があるから』です。

 

穴がなければ噴出さなくなります。

 

では、その穴や要因はどこにあるのか?

大きく分けると3つあります。

 

一つ目は、生地の経糸と横糸の隙間の穴

二つ目は、縫い目の穴です。

三つめは、静電気によって上記2つの穴から出てくる

 

一つ目の生地の隙間の穴は、生地を変えるか2層、3層ではなく、4層にすることで回避するしかありません。

(生地の密度を高めたり、隙間の穴をふさぐ加工も効果があります。高密度素材やシレ―加工など。)

 

二つ目の縫い目の穴については、縫い目をなくす方法と縫った穴をふさぐ方法と縫わないでダウンをパックする方法があります。

 

縫い目をなくす方法:

①太い糸や膨らむ糸を使い、縫い目をふさぐ

②特殊加工をして塗った後の穴をふさぐ

 

縫わないでダウンをパックする方法:

③表生地をボーダー状に接着して隙間にダウンを詰め込む

④表生地同士をテープでくっつけて、その隙間にダウンを詰め込む

 

全ての方法で試作したり製品化したりしたことがありますが、一番驚いたのは、②の特殊加工の穴がふさがる生地です。

 

 

動画をとったので、マジックのような穴がふさがるところをご覧ください。

※注意:動画なので容量が大きいです。WIFI環境でご覧ください。

小さく加工できませんでした<m(__)m>

 

 

 通常のダウンプルーフ加工がしてある生地   

 

 

ジイプリモ
⁦‪@g_primo2001⁩
ブログにアップした動画です
うまく見れない方がいるようなので、こちらにもアップしますね。 pic.twitter.com/Q269aMCNQP
2020/12/19 21:41

 

 特殊加工がしてある生地の場合

 

ジイプリモ
⁦‪@g_primo2001⁩
pic.twitter.com/L4zLSErJM1
2020/12/19 21:45

目打ちで開けた穴がふさがるので、細いミシン針で開けた穴は簡単にふさがります。

 

マジックのようで面白いです。

この生地だと、針穴がふさがってダウンが噴き出しにくくなります。

ただ、これだけで問題が解決しないのが難しいところです。

 

 

三つ目の静電気については、着用している衣服の素材の影響が大きいです。

綿のインナーに、綿のアウターであればよいのですが、今はほとんどが、綿のインナーにポリエステルのアウターだったり、ポリエステルやナイロンが混ざっていたりと様々な素材が使われています。

これらの特性で、その組み合わせによって極端に静電気が起こるケースがあります。

本来なら、そこまで気を付けて服を選ぶとよいのですが、そんなことをすると好みの服が着れなくなりますね。

静電気が多いと感じる人は、組み合わせにも気を使ってみるとよいかもしれないです。

 

ウェザーニュースのコラムに分かりやすく説明がありました。

「静電気」の発生を軽減させる洋服選び

 

今回はここまでです。

 

注:上述内容は、あくまで経験や実験に基づく個人的見解なので、あしからずご了承ください。

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