なぜ今ダウンなのか?
実はダウンの製品の生産は、今が最盛期!
収穫するものではないのですが、ダウン商材は、9月後半~10月中旬の店頭展開が多く、
海外生産の場合は、ちょうど今から9月にかけてが防寒衣服の繁忙期になります。
残念なことに、今年はこのコロナウイルスの影響で生産数も少なく、各メーカー様からの注文数もさみしいものです。
当社では、もう15年以上もダウン製品を取り扱っています。
ダウン・ダウンといっても実は様々なものがあるのをご存知でしょうか?
まず、ダウンって何?
水鳥の綿毛、胸の毛です。よく、鳥の羽の形をイメージされますがあれはフェザーと呼ばれるあまりよくない品質の部分です。
(上の写真がダウン:ダウンボールと呼ばれます)
(これはファイバーに当たる部分です。)
ダウンとフェザーの混入割合が最初の区分けポイントになります。
こんな形で表示されています。
- ダウン80%、フェザー20%
- ダウン90%、フェザー10%
- ダウン95%、フェザー5%
この中ではやはり③のダウン95%、フェザー5%が一番良い混率です。
(衣料用で使われるダウンは、①か②になります。③は主に高級羽毛布団で使われます。)
しかしこれだけで全てが決まらないのがダウンの面白くて不思議なところです。
それには、次の要素も関係してきます。
A:このダウンは、どんな鳥の羽なのか?
B:このダウンは、どの国で採取された羽なのか?
C:このダウンは、いつの季節に採取した羽なのか?
D:このダウンは、どこで加工されたものなのか?
E:このダウンは、どの品質のものを使っているのか?
簡単に言うと、A×B×C×D×E×(混入割合)で良し悪しが決まっています。
細かく説明すると読む人も大変なので、簡単に説明していきます。
Aは、アヒル(ダッグ)の羽毛 < ガチョウ(グース)の羽毛
※ガチョウはアヒルよりも体も大きく、ダウンボールが大きいので保温性が高い
Bは、気候として寒い地域の方が鳥の保温能力が高く、ダウンボールが大きくなる。
※ダウンでよく聞くのが、カナダ、ハンガリー、ポーランド、フランス、中国、台湾。
アヒルやガチョウを食用として加工している国が、その副産物である鳥の羽を使っています。
(注:これは、リサイクルの考え方にもつながり私にも見解があるので、また後日書きます。)
Cは、やはり寒い時期の方が、ダウンボールが大きいので冬毛が良いと言われています。
Dは、品質の問題です。
海外のものは、現地で加工されて、洗浄→選別→出荷となりますが、日本加工のダウンは、
さすがジャパンクオリティだけあり、良いものも多いです。
(全てではないのでお使いになるときは自己責任でお願いします)
洗浄水や洗浄方法などの加工技術に各社こだわっており、私も工場見学しましたが、
加工が良いと普通のダウンもビックリするほどグレードが上がります。
Eは、検査データの数値です。
・ダウンパワーとフィルパワー
・汚れ
・におい
・かさ高性 ・・・ほかにも数種類あります。
布団メーカーが主体で、日本羽毛製品協同組合(通称:日羽協)が出している、品質基準では、品質をラベル分けしたりしています。(ダウンのゴールドラベルです。)
やはりダウンを一番使うのは羽毛布団です。日本のダウンメーカーも「布団の西川」向けが一番多いようです。
簡単に書いても長くなってしまいました。
詳しく知りたい方は、日本で一番ダウンの検査が多い
Qteck(一般財団法人 日本繊維製品品質技術センター)でお調べください。
多分各布団メーカー様も独自の基準や見解を出されています。
洋服に使っているダウンは、通常は「ダウン80%、フェザー20%」が多いです。
高級ダウン服になると、「ダウン90%、フェザー10%」が標準スペックになり、これに産地やフィルパワーやかさ高性、
リサイクルダウンなど特別な要素を付加して差別化しています。
この「ダウン90%、フェザー10%」だけでも様々な種類があるので、本当に驚きます。
こちらの解説もまた次回に!
実は、当社も日本のダウン加工所と取り組んで作ったダウンブランドを持っています!
ブランド名は「Air Riche DOWN®」昨年ブランド登録し、今年、認可が下りました。
この加工会社の社長と部長の、ダウンに対してのこだわりに感化され、ブランドを作ってしまいました。
昨年生産した商品はこの下げ札を付けさせてもらい、百貨店で販売されています。
因みに、この下げ札のデザインは、岐阜出身で、全国で活躍されている建築系の空間デザインを行う
ルーツの和田さんにお願いしました。
すごく上品で感度の高いデザイナーさんです。品川駅のカフェのデザインも彼の作品だそうです。
Klug/クリュッグのカタログのデザインにも関わっていただいています。
このカタログは色んなデザイナーさんや印刷関係の方から、デザインとその作りに評価を
頂いているので、プロに認められるデザイナーだと思います。
もちろん、白衣の評価もカタログに負けない良いものですよ!
白衣やスクラブのご用命はこちらからどうぞ!